先天性の盲ろう者として、はじめて大学に進学した学生の入学式の様子が「点字毎日」に掲載されました。内容は以下の通りです。
「盲ろうの森さん 入学式」
― ルーテル学院大学 ―
全盲で声による会話ができない盲ろうの森敦史(もり・あつし)さん(19)が4月日、ルーテル学院大学(東京都三鷹市)の社会福祉学科に入学した。生まれつきの盲ろう者で大学進学するのは初めてとなる。
筑波大付属視覚特別支援学校をこの春に卒業した森さんは昨年12月、同大学の推薦入試に合格した。森さんが自らの意思を相手に伝えるのは指文字や触手話。これを通訳・介助者が読み取って伝え、相手の話す内容は、通訳者の指文字や手話に手で触れて理解する。学習や読書には点字情報端末を駆使する。
1日の入学式には126人の新入生の一人として出席し、市川一宏(いちかわ・かずひろ)学長のあいさつを通訳者の指文字で聞いた。「学生生活を通して、何がしたいのか、何ができるのか、何が求められているのかを学んでもらいたい」との言葉を、森さんは真剣な表情で受け止めていた。盲ろう者のために福祉を学ぶ森さんは「通訳の準備不足もあるけれど、大学生になれて良かった」と、話していた。